本件は、性格の不一致や相手方（夫）の不貞行為の疑惑を理由に別居をしていたところ，相手方から離婚調停を申し立てられ，早急な離婚を求められた事案でした。
依頼者としては，子供のことを考えて早期の離婚には望んでおらず，離婚するにしても十分な経済的補償を求めていました。
また，相手方が不貞行為に及んでいるという強い疑惑があり，不貞行為の責任を取って欲しいと望んでいました。
しかし，相手方は不貞行為を認めず，とにかく早期の離婚をするように，と一方的な離婚条件を突き付けており，最後は調停を一方的に打ち切って訴訟を提起してきたため，依頼者は精神的にも疲弊していました。

別居が相当期間経過している為，裁判になれば離婚が認められてしまうおそれがありましたが，依頼者の持っていた断片的な証拠や，申立人が異常に早期離婚に拘っていることから，不貞行為の事実はあるのではないかと思われました。
しかし，決定的な証拠まではなかった為，興信所に依頼して相手方の素行を調査してもらいました。
調査は難航し，時間がかかっていたのですが，調停中は不貞行為の調査をしていることは伏せて，できる限り話合いを続ける様子を見せて調停の回数を引き延ばし，調査のための時間を稼きました。
最終的に相手方が痺れを切らして調停を打ち切り，裁判をするに至りましたが，調停打切り直前に，遂に不貞行為を裏付ける決定的証拠の写真を撮影する事が出来ました。
そこで，裁判では不貞行為の証拠を提出し，相手方は有責配偶者に当たるから離婚が認められない事を主張して離婚を求めるのであれば依頼者の希望する離婚条件に応じるように求めました。