交通事故の被害者は、加害者側に対して、損害賠償請求をすることができます。
「加害者側」と一口にいっても、具体的に「誰に対して」損害賠償請求をするかは事案によって異なりますが、加害者は任意保険会社に加入していることが多いので、多くの場合、加害者本人ではなく、任意保険会社に対して損害賠償請求をしていくことになります。
他方で、加害者が任意保険会社に加入していなかった場合には、加害者が加入する自賠責保険会社(強制加入)や、加害者本人に対して、損害賠償を求めることもあります。
保険会社が提示してくる金額は妥当なのか
被害者の怪我が治癒したり、症状固定となったりした段階で、保険会社が賠償額を提示してくることがあります。
一般の方からすると、その金額が果たして十分なものなのかどうかの判断は難しいでしょうし、よく分からないまま示談書(又は免責証書や承諾書などと呼ばれる書面)にサインをしてしまう人も少なくないと思われます。しかし、保険会社が提示した金額を弁護士の目線で分析してみると、実際のところは最低限度の賠償しかされていないことが分かることが多いです。
弁護士が介入して示談交渉をした結果、最終的な示談金額が、最初の提示金額よりも倍増したというケースも決して珍しくありません。
保険会社から賠償額を提示された際には、まずは弁護士に相談することを強くお勧めします。
治療の打ち切りを打診されることも
保険会社は、損害賠償の一環として、被害者の治療費を立て替えて支払ってくれることが多いですが(いわゆる一括対応)、治療期間が半年や一年以上にも及ぶような場合に、症状が完全になくなるまでいつまでも支払ってくれるとは限りません。
保険会社はよく、被害者の怪我が既に治癒したことや症状固定となっていること等を理由として、治療費の支払いを早期に打ち切ろうとしてくることがあります。
このような場合には、弁護士に依頼して、保険会社に対して、治療費の支払いを継続してもらうように交渉していくことをお勧めします。また、交渉の末、結局、治療費の支払いが打ち切られてしまうこともありますが、そのような場合には、治療費を自賠責保険会社に請求する、健康保険を適用して自己負担額を少なくするなど、被害者が治療を継続するための適切な方法をアドバイスいたします。