監修弁護士 大西 晶弁護士法人ALG&Associates 千葉法律事務所 所長 弁護士
配偶者がギャンブルにのめり込み、生活費を入れない、借金を繰り返すといった状況が続くと、離婚を考える方も少なくありません。
しかし、「ギャンブルを理由に離婚できるのか」「配偶者が作った借金の返済義務を負わなければならないのか」など、不安や疑問を抱く方も多いでしょう。
本記事では、ギャンブル依存症の配偶者との離婚が認められるケースや、借金の返済義務の有無などについて解説します。
目次
ギャンブル依存を理由に離婚できる?
合意があれば離婚できる
夫婦がお互いに離婚することに同意していれば、ギャンブル依存症であるかどうかにかかわらず離婚することは可能です。
日本では、離婚について夫婦の合意があれば、法律上、特別な理由がなくても離婚することが認められています。
そのため、配偶者のギャンブル依存症により夫婦関係の継続が難しいと感じた場合でも、双方が離婚に同意していれば離婚することができます。
法定離婚事由に該当すると合意なしでも離婚が認められる
夫婦の一方が離婚に同意しない場合でも、法律で定められた「法定離婚事由」に該当すれば、裁判によって離婚が認められる可能性があります。
法定離婚事由とは、裁判で離婚を認めるための理由として民法に定められているもので、①不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上の生死不明、④その他婚姻を継続し難い重大な事由の4つがあります。
ギャンブル依存は法定離婚事由に該当する?
ギャンブル依存症であるという事情だけで、直ちに法定離婚事由に該当すると認められるとは限りません。
しかし、ギャンブルに多額のお金を費やし生活費を入れない、借金を繰り返して家庭生活を著しく破綻させるなどの事情がある場合には、「悪意の遺棄」や「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると判断される可能性があります。
もっとも、そのような事情を裁判で主張するためには、借金の記録や家計の状況などを示す証拠を用意することが重要です。
配偶者がギャンブルで作った借金の返済義務は自分にもある?
ギャンブルなど自己都合の借金の返済義務はない
配偶者がギャンブルのために作った借金については、原則としてもう一方の配偶者が返済義務を負うことはありません。
これは、ギャンブルなどの借金が家庭生活のためではなく、個人的な事情によって生じたものと考えられるためです。
そのため、離婚するかどうかにかかわらず、原則として配偶者のギャンブルによる借金を代わりに返済する義務はありません。
連帯保証人になっていると離婚後も返済義務がある
配偶者の借金について連帯保証人になっている場合は、離婚した後であっても返済義務を負う可能性があります。
連帯保証人の責任は、原則として債権者の同意がなければ免れることができません。
そのため、離婚しても当然に保証がなくなるわけではない点に注意が必要です。
もし連帯保証人になった覚えがないのに名前が使われている場合は、署名の有無など契約内容を確認し、必要に応じて弁護士へ相談することが重要です。
ギャンブル依存症による離婚で慰謝料や養育費はもらえる?
ギャンブル依存症が原因で家庭生活が破綻した場合には、事情によっては慰謝料を請求できる可能性があります。
また、子どもがいる場合には、離婚後も養育費を請求することができます。
ただし、ギャンブル依存症のある配偶者は経済的に不安定なことも多く、実際には支払いが滞るケースも少なくありません。
もっとも、支払義務があるにもかかわらず支払われない場合には、給与や預金を差し押さえるなどの強制執行を行うことができる場合もあります。
あなたの離婚のお悩みに弁護士が寄り添います
ギャンブル依存症が原因で離婚する際の注意点
自分に借金の返済義務がないか確認する
配偶者がギャンブルによって借金をしている場合、まずは自分に返済義務がないか確認することが重要です。
原則として配偶者の個人的な借金について返済義務を負うことはありませんが、連帯保証人になっている場合には責任を負う可能性があります。
そのため、借入契約書や保証契約の有無を確認し、自分の名前で保証がされていないかを確かめておくことが大切です。必要に応じて弁護士に相談することも検討しましょう。
慰謝料や養育費の不払いへの対策をしておく
ギャンブル依存症がある場合、慰謝料や養育費の支払いが滞る可能性もあるため、事前に不払いへの対策を考えておくことが重要です。
例えば、離婚の際には公正証書を作成し、支払いが滞った場合に強制執行ができるようにしておく方法があります。
また、相手の勤務先や預金口座などの情報を把握しておくと、将来差し押さえを行う際に役立つ場合があります。
子供が借金を相続する可能性がある
配偶者がギャンブルによって多額の借金をしている場合、その人が亡くなると子どもが借金を相続してしまう可能性があります。
相続では、預貯金などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も原則として引き継ぐことになるため注意が必要です。
もっとも、相続開始を知ったときから原則3か月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続をすれば、借金を相続せずに済みます。
なお、親子関係を断ついわゆる「絶縁」をしていても、法律上の相続権がなくなるわけではない点にも注意が必要です。
ギャンブル依存症の配偶者との離婚をお考えなら弁護士にご相談ください
ギャンブル依存症が原因で離婚を検討する場合、借金の問題や慰謝料、養育費など、さまざまな法律問題が生じることがあります。
弁護士に相談すれば、離婚が認められる可能性の見通しや、借金への対応、将来のトラブルを防ぐための対策について助言を受けることができます。
また、交渉や手続を任せることで精神的な負担を軽減することも可能です。
お一人で悩まず、まずは弁護士へ相談することをご検討ください。

-
保有資格弁護士(千葉県弁護士会所属・登録番号:53982)
