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交通事故

整骨院への通院で慰謝料と治療費を請求するための注意点

千葉法律事務所 所長 弁護士 大木 昌志

監修弁護士 大木 昌志弁護士法人ALG&Associates 千葉法律事務所 所長 弁護士

交通事故によって怪我を負った場合、まずは整形外科への通院を考える方が多いと思います。

しかし、

  • 診療時間が短い
  • 土日に営業していない

等の事情から、整形外科へ通院することが難しい場合もあります。

そんなときに、頼りになるのが整骨院です。ただ、整骨院への通院には、いくつか注意をしなければならない点があります。

それらを知らなかったために、損をしてしまうなんてことも……

そうならないよう、以下、弁護士がわかりやすく解説します。

整骨院に通院しても慰謝料はもらえる

「整骨院に通院したことを理由に慰謝料がもらえなくなる」というわけではありません。

基本的には、整骨院の通院であっても、整形外科の通院と同じように考えられます。

もっとも、整形外科の医師に断りもなく、整骨院への通院を行った場合、相手方保険会社が慰謝料の支払いを拒否する可能性が否定できません。

整骨院へ通院する際には、必ず事前に整形外科の医師にその旨を伝えて、了承を得ておきましょう。

「整骨院への通院は慰謝料が半額になる」は本当?

「整骨院への通院の場合、慰謝料が半額になる」というわけではありません。繰り返しになりますが、基本的には、整骨院の通院も、整形外科の通院と同じように考えられます。

もっとも、整形外科に一切通わず、整骨院のみに通院していた場合、保険会社が「医学的な根拠のない治療しか行われていないため、整骨院への通院は慰謝料算定において考慮しない」として、減額の主張をしてくる可能性は否定できません。

整骨院へ通院する際には、併せて整形外科にも通院するのが良いでしょう。

交通事故で整骨院に通院した場合の入通院慰謝料の相場

上で説明したとおり、

  • 整形外科の先生の承諾があること
  • 整形外科にも通院していること

が条件となりますが、

整骨院へ通院した場合であっても、通院した期間などに応じた慰謝料の支払いを受けることができると考えられます。

慰謝料の額は、①自賠責基準が用いられることが多いですが、弁護士が介入した場合には、②弁護士基準を前提に交渉していくことになります。②弁護士基準の方が、①自賠責基準より、慰謝料額が大きくなる傾向にあります。

たとえば、交通事故でむち打ち症になった被害者について、通院期間6か月(180日)、実通院日数70日の場合、以下のとおりの金額になります。

①自賠責基準 ②弁護士基準
60万2000円 89万円
交通事故の慰謝料相場

まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします

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整骨院に通院したい場合の注意点

整骨院に通院をする場合であっても、基本的には慰謝料の請求をすることはできると考えられます。

もっとも、以下の条件を満たしていないと、保険会社が慰謝料の支払いを拒んでくるおそれがあります。

病院(整形外科)の医師に相談し、整骨院通院の了承を得る

整形外科の医師に事前に相談し、整骨院への通院の了承を得ておく必要があります。

もっとも、整形外科の医師によっては、整骨院への通院を認めない場合もあります。

そのような場合に整骨院に通院してしまうと、慰謝料のみならず、整骨院の施術費用さえも賠償されない可能性が高いです。すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

保険が適用される治療かどうかを確認する

保険が適用される治療であるかどうかを確認しておく必要もあります。

保険が適用されない場合、治療費は高額になる傾向にあるため、保険会社が、早期に治療費の立替払いを打ち切ってくるおそれが大きくなると考えられます。

また通院頻度に上限はありませんが、仮に整骨院に毎日通院をした場合、治療費の総額が高くなり、同様のリスクが生じると考えられます。

そのため、保険が適用される場合であっても、週2~3回くらいの頻度での定期的な通院が望ましいでしょう。

病院(整形外科)にも通院する

診断書や後遺障害診断書を作成できるのは、医師資格を有する医者、つまり整形外科の先生です。

整骨院の先生は、これらの資料を作ることができません。

診断書などは保険会社に対して治療費の請求をするために必要不可欠ですので、整骨院に通う場合であっても、並行して整形外科にも通い、診断書をきちんと作成してもらう必要があります。

後遺障害が残りそうな場合も整形外科への通院が重要になる

治療を継続しても症状が完治しない場合、後遺障害として申請するという方法があります。

後遺障害として認定されれば、さらに一定の金額が支払われることになりますので、そういった方法もあるのだなと、頭の片隅に置いておかれるのが良いと思います。

もっとも、後遺障害申請のためには、後遺障害診断書が必要なところ、この後遺障害診断書を作成できるのは、あくまで医師だけです。

また後遺障害診断書の内容の充実度は、医師が、どれくらいの期間、主治医として症状を診察してきたかということとも関係してくると思われます。

したがって、やむを得ず転院をしなければいけない事情がある場合、できるだけ早いタイミングで転院の措置をとることをお勧めします。

整骨院への通院と慰謝料に関するQ&A

整骨院に毎日通えば、その分慰謝料はもらえるのでしょうか?

前述した弁護士基準で慰謝料を算定する場合、通院日数ではなく通院期間を基準に算定するため、「通院日数が多いこと」はあまり慰謝料の金額には影響しません。
したがって、毎日通院した方が慰謝料が高くなるということは、基本的にはありません(反対に、通院日数が少ない場合は、慰謝料が減額される可能性があります)。
ちなみに、自賠責基準の場合であっても、通院日数が多い場合は通院日数ではなく通院期間を基準に算定することになるため、基本的に同じことがいえます。
また、そもそも毎日リハビリを行うこと自体に医学的な効果があるとはいえない場合もありますし、仮に整骨院に毎日通院した場合、治療費の総額が高くなってしまうため、保険会社が早期に立替払いを打ち切ってくるリスクは大きくなると思われます。
そのため、保険が適用される場合であっても、週2~3回くらいの頻度での定期的な通院が望ましいでしょう。

保険会社に、整骨院への通院は治療費として認めないと言われてしまいました。医師の許可は取っているのですが、どうしたらいいでしょうか?

まずは、医師がお墨付きを与えているということを、再度保険会社に対して説明し、説得を試みましょう。
もしその説得が上手くいかないようであれば、一時的に自費で整骨院の治療費を支払い、その後、保険会社に対して請求をしていくことになります。
もしくは、相手方の任意保険会社ではなく、相手方の自賠責保険会社に請求するという方法もあります。
これらの方法でも解決できない場合は、紛争処理センターや訴訟などの法的手続を別途検討しなければならないと思われます。

整骨院に通院した場合の治療費や慰謝料の請求は弁護士へご相談ください

整骨院への通院をめぐって、保険会社との間で見解の相違が生じることは少なくありません。

保険会社と交渉で戦っていくためには、交通事故処理に関する法的知識やノウハウを有している弁護士に相談する必要があります。

少しでも不安な点がある場合には、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

千葉法律事務所 所長 弁護士 大木 昌志
監修:弁護士 大木 昌志弁護士法人ALG&Associates 千葉法律事務所 所長
保有資格医学博士・弁護士(千葉県弁護士会所属・登録番号:53980)
千葉県弁護士会所属。弁護士法人ALG&Associatesでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。